樹木

ある日台風が直撃しました。
前回直撃したのはいつだっただろうと忘れてしまうほど、久しぶりの直撃でした。
強風で揺れる庭の樹木を見ながら、一晩中倒れるのではないかと恐怖で過ごしました。 

「全部抜根してしまおう・・・」夜があけて覚悟を決めました。
私が思いいれ沢山の庭の樹木を抜根しようと思った理由のひとつです。
何本も抜根して行くうちに早く抜根することができるようになったため、遠回りしないためにも効率よく抜根する方法を紹介します。




Youtubeで抜根の動画を見まくった。そして気付いた



 我が家の庭木の樹齢は20年。どれもかなりの大きさになります。
一番大きな木は2階の屋根の高さと変わらない。

できることなら自分で抜根してみたい。 

そして、もし駄目だったら業者に頼もうと思いました。 

そう決めて1週間くらいYoutubeで関連動画をみまくった。 
そして気付いた。 

 うちにクレーン車なんてない。。。 

多くの場合は、我が家の樹齢の樹木くらいになるとクレーン車で引き上げて抜根するのです。
それでも一度抜根すると決めたからには諦めがつきませんでした。 

なんとか思考錯誤して1本、2本、そしてとうとう危ない庭木をすべて抜根し終えることができました。 
庭も広く感じ本当に感動しました。
その抜根した方法を紹介したいと思います。



伐採するなら、やはり秋から冬がいい


 抜根の前にやはり伐採をしなければならなりません。
伐採するなら、やはり秋から冬がいいです。
なぜなら、夏は葉の分重量が半端なく重いから伐採だけでも作業量が増えます。

 常緑樹の場合、冬でも葉があるのであまりかわらないけれども、落葉樹の場合、重さが全く違います。
葉の量が違えば、処分の量も違う。


というわけで、台風の直撃にあって抜根を決意したのは秋口だったのですが、葉が全部落ちてしまう冬を待ちました。 
ちょうど台風のシーズンも終わり、その年に風で樹木が倒れる心配はありませんでした。
我が家の場合、台風のこと以外でもいろいろ将来が心配な樹木が落葉樹である桜の木だったこともあります。 

しかし冬の作業はデメリットが一つだけあります。
冬の作業はとにかく寒かったです。

ポイント1:作業は秋から冬がよい。



最初にすることは足元を整えること


 枝は想像以上に絡みあっていることが多い。 実際に切り落とすと、見た目よりかなり大きくてその重さに驚くことも多いです。 
さほど大きくないと思った枝でも切り落として地面に落ちた瞬間に、こんなに大きかったんだ?と何度も驚きました。

 そういった場合に、作業する足元に障害物があると本当に危ないです。 
手にはのこぎり等の道具を持っているし、想像と違うところに落ちてきた枝を避ける必要もあります。 
脚立をしっかり据えるためにも大切なことだと感じました。
本当に面倒だけれども、作業の前に撤去できるものは撤去がおすすめです。

ポイント2:足元は掃除してから作業する。



届く範囲の枝は1本でも多く切り落とす


樹木の剪定の順番

 ①番を切って②番という風に、なるべく小さな枝を落として軽くしてから大きな枝は落とす。 
画像は一本立ちだが株立ちの場合も同じです。 
こういう風に順番に切り落として軽くしておかないと、枝が倒れて来た時に支えきれない。

 それと、これも大事なことですが切り落とした枝はその都度細かく刻んだり、お住まいの地域の処分方法に従った長さにカットしておく方が良いと思う。
なぜならば、雑草のように乾燥させてから処理を行うと、樹木は乾燥すればするほど固くなり、のこぎりで小さく切ることが困難になります。

ポイント3:大きな枝は、小さな枝を落としてから切る。

ポイント4:枝は乾燥しないうちに小さく切る。




木の幹は地面近くまで切り落とさない


 木の幹は地面近くまで切り落とさないこと。 これ本当に大事です。
  わたしは、最初の1本目の抜根は、なるべく短く切り落とそうと思い、地面スレスレまで切り落としてしまって(切り株にしてしまった)、いよいよ抜根だという時に大変な目にあいました。 
 なぜならば、木の幹は自分の胸の高さくらいまで切り落としたら、その後にその幹を揺すりながら抜根をしていくため、短く切ってしまうと掴むところがなくなってしまいます
木の幹(胸の高さ)


ポイント5:木の幹は胸の高さまで残しておく。





大きなショベルよりミニツルハシがいい


 木の幹を胸の高さまで切り終えたら、いよいよ抜根作業になります。 

 そこで木の根を掘り当てるために、木の周囲を根が伸びているであろう方向と平行に土を掘っていく必要があります。
 その際に、わたしは最初ショベルを使っていたのですが、すぐに木の根にあたってしまって思うように掘れません。 
動画で抜根方法を調べた時もシャベルを使うのが当然だったのですが、本当に使いにくいです。

 そこでたどり着いたのがミニツルハシでした。
ミニツルハシは本当に便利でした。
木の根と木の根の間の土を早く、細かく取り除くことができる。 
作業効率はとてもあがりました。


 ちなみに、ショベルとシャベルの違いは、地域によって呼び名が違うそうだ。 足をかけて作業するタイプをショベルといい、足をかけないタイプをスコップと呼ぶそう。 ミニツルハシは、その名前の通り、小さいハンドタイプのツルハシなのだが、これもハンドツルハシや、ピックマトックなど色々呼び方があるらしい。 


 それでも場合によっては、ショベルの方が便利な箇所もあるので、うまく使い分けると早く掘ることができます。
細い方と太い方を使いわけていくと絶妙な加減ができて良いです。

 ミニツルハシは、1000円から2000円くらいから購入できるので、ガーデニングをする人は、いろいろ使い道もあると思うので、ひとつ購入した方が良いと思います。






ポイント6:土を掘るのはミニツルハシが便利。



木の根の切断はノコギリより斧がいい



 木の根の切断はノコギリより斧が良いです。 
これも何本か抜根していくうちにわかったことです。 

 後でわかったことですが、ノコギリで木の根を切るともうそのノコギリは切れなくなる。 
土が研磨剤のような役割をしてノコギリの目を潰してしまうことは、考えればわかることなのに全く気付くことができませんでした。 
気付いたのはノコギリを1本ダメにしてしまってからのことです。

 しかし、全くノコギリを使わないで木の根を切断していくことはかなり難しいので、ノコギリも併用していくことにはなるのですが、 その場合、木の根専用のノコギリを用意するか、もう捨てても良い覚悟で古いノコギリを使うのが良いと思います。

  斧は大木を切り倒すような大きなものではないです。
これもハンドツルハシのように手斧と呼ばれる小さなものが使いやすいです。 
 なぜノコギリより手斧の方が使いやすいかといえば、ノコギリは木の根を完全に掘り当てても、その周辺まで土を掘り起こさないと使えないのに対して、手斧であれば、木の根が見えさえすれば切り落とすことができます。
しかも木の幹にかなり近いところで切断することが可能になります。
木の根は何重にも層になっています。
木の幹に近いところで切断することができれば、その下にある木の根も見つけやすくなるので作業ペースも断然あがります。

 わたしの体感での話しですが、1本目の木を抜根する時よりも、手斧を取り入れはじめてからの方が、倍近く早く作業ができた気がします。





ポイント7:木の根を切るのは手斧が便利。




残しておいた木の幹を大きく揺さぶり真下の根を切る



 ミニツルハシと、手斧を使って木の幹に対して360度ぐるりと木の根を切断し終えても木は抜けません。
見えない真下に根が伸びているからです。
樹木の種類を問わず、どの樹木も必ず真下に根が伸びていました。
 
 そこで「木の幹は地面近くまで切り落とさない」で書いたように、胸高で残しておいた木の幹を左右に大きく揺すります。
大部分の木の根が切り終えていればグラグラするはずです。
この揺する作業ができないと、その後の作業がまた時間がかかるのです。
そのためにも絶対に木の幹は地面近くまで切り落とさないで、揺するときに掴むことができる分だけ残しておかなければなりません。

 真下以外の木の根が残っている場合でも、これで土が動き残りの木の根を発見することができます。
前後左右に大きく揺らすと、どんどん周囲の土が緩んで最後の木の根が見えきます。

 見えてきた部分をミニツルハシで綺麗に土を取り除き、木の幹を大きく揺さぶれば、最後のラスボスと言える木の根が見えてきます。 
 その最後の木の根を、木の幹を障害物のない安全な方へ倒しながら手斧で切り倒せば、抜根完了となります。
この作業の時もノコギリは目的の根の部分に入らないために手斧は便利です。
ノコギリだけを使用する場合は、もっともっと深く土を掘り続ける必要があります。

土の中に残った根の切れ端は、いずれ土にかえります。




まとめ


道具が少しかわるだけで作業はとても楽になりました。
抜根したい樹木が一本しかない場合は道具を揃えるのも悩みどころではあると思いますが、道具はとても大切だと感じました。

そしてやはり木を伐採する時に、切り株を残した状態よりも抜根した方が美しいです。
障害物で足をとられることもないし、庭も広くみえます。 

 我が家の庭の樹木はどれも樹齢20年くらいのものでした。
桜の木や、ユーカリのように急速に大木になってしまう種類を植えてしまったこともあり、かなり大きかったです。

 しかしこれくらいの樹齢であれば、女性である私にも抜根することができたので、男性ならもっと楽に抜根することができると思います。 

 逆にそれ以上大きな木や建物を壊してしまう恐れがあるような位置に木がある場合は、諦めて専門の業者にお願いした方が良いと思います。
何本も抜根したい樹木がある場合、まず小さい樹木を抜根してみて、どれくらい生きている樹木が重いのかということを知ってから、大きい樹木を自分で抜根するのか業者に依頼するのか判断された方が良いと思います。

 我が家は木の本数が多かったこともあり、とても長い期間かかりました。かなりの重労働でした。 

 副産物としてかなり痩せました。 
 
 また、どうしても抜根をする時間がない場合は、切り株を腐らせて除去する方法もあるのでまたの機会に書こうと思います。