トマトとニラ(コンパニオンプランツ)

 



コンパニオンプランツとは


 野菜はもとも野生だった植物ものを、人間の食用に適しているように改良をしたものです。 

自然界の野生の植物も共存しあって群生しており、共存理由は互いに良い影響があるためです。
 
 コンパニオンプランツとは、原点はこのような自然生態系の良い仕組みを利用することにあり、 混植(一緒に植えると)すると、野菜同士がそれぞれの特性を活かし、お互いに良い影響を与え合う植物同士をいいます。

 


コンパニオンプランツの効果



1.連作障害をおこしにくくなる


 例えばトマトは連作障害を起こしやすい野菜のひとつだが、これはトマトを繰り返し同じ場所で栽培すると、センチュウや、青枯病、萎ちょう病など様々な病気を起こしやすくなるためです。 
 トマトは一度栽培すると、4~5年はその土地で栽培することを避けなければならないが、ニラと混植ことで連作障害を起こしにくくする。
これは、ニラの根に病原菌を防ぐ拮抗菌(きっこう)が繁殖するためです。

また、家庭菜園の土壌還元消毒で紹介したような消毒を行えば、さらに連作障害をおこしにくくなり連作が可能になります。



2.輪作の計画が容易になる


 野菜には、例えばきゅうりの後にはかぼちゃは植えない方が良い、ハクサイの後には大根は植えない方がよいなどの組み合わせがあります。

そのため、家庭菜園では連作を気をつけつつ、前作・後作の計画をたてておこなわなければなりません。

 理由は、野菜を病気にしてしまう病原菌を増やしてしまったり、必要な栄養素が似ているために次の作物の生育に影響が出てしまうためだと言われる。

しかしコンパニオンプランツを行えば、うまく混植をすることで土壌中の環境を整えるため前作・後作を計画をする労力が軽減されます。


3.お互いの成長をたすけあう


 ナスは根が深く張り、パセリは根があまり深く張らないという特徴をもちます。

そのため、ナスの根元にコンパニオンプランツとしてパセリを植えればお互いの根が共存しあいます。
またパセリは日陰を好むため、 ナスが日陰となり成長を助けます。

また、トマトとマメ科のコンパニオンプランツはマメ科の根瘤菌が窒素を固定し、それがトマトの栄養源となり成長をたすけてくれます。


 このように連作障害をなくしたりするだけでなく、組み合わせによっては成長を助ける効果もあります。


4.害虫を寄せ付けない


 植物の中には、害虫や小動物を寄せ付けない効果のあるものがあります。

例えばサルビアはモンシロチョウを忌避する効果があります。
そのため、モンシロチョウのこどもである青虫に、葉が食われやすいアブラナ科と混植すると食害にあいにくいという効果があります。

 また、稲田のあぜ道を通ると彼岸花が植えてある光景を目にしたことがあると思うが、彼岸花はモグラやネズミの忌避効果があると言われるためです。

モグラの被害が多い家庭菜園では、彼岸花ををコンパニオンプランツとして植えると忌避効果が期待できます。



モグラを忌避させる


5.狭い敷地を有効につかえるため、家庭菜園に向いている


 このように、コンパニオンプランツには、連作障害を起こさない効果や、成長を助けたり、害虫や小動物を寄せ付けない効果があるため、 前作・後作の計画、連作障害対策のための輪作計画が軽減されます。

その結果、土地の活用がしやすくなり限られた土地で栽培する必要がある 家庭菜園には向いています。




覚えやすいコンパニオンプランツの組み合わせ


 コンパニオンプランツはおおくの混植パターンがあるので、なかなかすべてを覚えるのは大変です。

そこでなんとなくルールを知っておくと、覚えやすいコンパニオンプランツがあります。

 最初に、トマトやナス、ピーマンやししとうなどはナス科
キャベツやブロッコリー、水菜などはあぶらな科という風に野菜の科をざっくり覚えます。

トマトのコンパニオンプランツは、ニラやらっかせい。ナスもニラやらっかせいという風に科が同じだとコンパニオンプランツも共通なことが多いです。

ニラは一度植えると毎年分けつ(株が増える)ので用意しやすいです。
そこで、ナス科を植える時はニラを混植しようと決めてしまいます。

 他には、シュンギクはわりと土地を選ばず世話も楽であり、 一度植えると長く収穫できます。 
シュンギクはアブラナ科のコンパニオンプランツで害虫の忌避効果や、品質向上の効果があります。 
 だったら、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科を植える時は、シュンギクをコンパニオンプランツとして混植しようなど、自分が食べたい野菜で、種や苗の入手がしやしく世話が簡単なものを決めておくと非常に覚えやすく便利です。


コンパニオンプランツの組み合わせ


まとめ


 コンパニオンプランツには、様々な嬉しい効果があります。
自宅の庭で、新鮮で科学資材を使用しないで安全な野菜が採れることはとても嬉しいです。
庭で野菜同士の高低差を考えながら、見た目の美しさも考慮しながら栽培するのも良いと思います。
是非これから家庭菜園をはじめようかと考え中の方は試して欲しいです。


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